2015/05/07

20150502-04 剣山~三嶺 - Day 1

GWは四国の山巡り。
ずっと歩きたかった憧れの稜線へ。

* * *

今年のGWはカレンダー通りに5連休。
「雪山装備が不要で、景色が楽しめ、できれば縦走」を条件に行き先は早々に四国に決めていた。
飛行機の手配等もあるので、事前の計画が不得意な自分にしては珍しく1ヶ月前に予約を取る。

5日間の計画はだいたい以下のような感じ。

[Day 1] 徳島空港から剣山の西島野営場まで移動し、テント泊。あわよくば剣山登頂。
[Day 2] 西島野営場~次郎笈~三嶺まで縦走。三嶺でテント泊。
[Day 3] 三嶺より下山。愛媛県新居浜市まで移動し、ビジネスホテルに宿泊。
[Day 4] 石槌山日帰りハイキング。 下山後、松山市まで移動。
[Day 5] 松山観光。 ※予備日を兼ねる。

全て予約してしまったので不測の事態が発生しない限りは計画通り行動することになる。
本当は気分に合わせて自由に行動する方が好きだけど、GWなのでそうもいかない。

* * *

初日は登山口まで辿り着くのが一番のミッション。
まずは羽田空港8:55発のANA281便で徳島空港に移動する。

飛行機は遅れることもなく定刻の10:10に徳島に到着。

GWの取材だろうか、テレビクルーが次々と到着した人たちにインタビューをしている。
少しドキドキしながら前を通過するも、ハイカーはお呼びでないようで無事スルーされた。

空港で手配しておいたレンタカーを借り受ける。剣山の登山口までは約2時間。
 ※ちなみにガス缶(OD缶)は、空港からほど近いササクラスポーツ空港店で調達可能。
 
今回は縦走なので下山口の名頃に車を置き、市営バスで登山口の見ノ越まで移動する計画。
名頃のバス発車時刻は13:43。準備等で出発が11:15頃になってしまったのであまり時間の余裕が無い。

名頃へ向けて先を急ぐも、到着予定時刻が全然縮まらない。
それもそのはず、2時間のうち1時間半は渓谷に取られた峠道を行かなくてはならないのだ。

名頃のある祖谷(いや)は岐阜の白川郷、宮崎の椎葉村と並び日本三大秘境に数えられる。
かつて平家の落人たちが隠れ住んだという逸話が残る、山奥の地区だ。

谷底に真っ逆さまなんてことにならないよう注意しながら、それでも大胆に進む。

そんなこんなで無事13:30に名頃に到着。あまりのギリギリ具合に終盤はずっと無言で運転していた。
ひとまず計画通りに山旅をスタート出来ることに安堵する。

時間通りに到着したバスに乗り込む。
一応名目上はスクールバスなのだが、地元の人は1人だけで残りは全員登山者だった。

名頃からおよそ1時間で見ノ越に到着。
見ノ越には多くの売店があり、食料やお酒など調達できそう。

もう15時前だし移動疲れもあるので、迷わずリフトに乗ることを選択。
そもそも計画時から歩くつもり無かったけど…。

歩いても1時間かからないくらい緩い道ではあるんだけどね。

大正ロマン、昭和モダンのような字体のキップ売場。料金は片道1,030円。

リフトは一人乗りのタイプ。
間の抜けた雰囲気になるので、登山道と歩くハイカーと目が合うと少し恥ずかしい。
乗車時間は10分くらいだったかな。

リフトを降りて右側に進むと、30秒くらいで西島野営場が見える。
これを書いている今知ったことだが、正面奥に見えている山が次の日のゴール・三嶺らしい。
改めて見るとかなりの距離を歩いたんだなぁと感じる。

荷を下ろし、早速テントを設営する。
無料だし広い指定地ではないので張る場所に困るかと思ったが、意外に空いていた。
後から来た人も含めて、この日は全部で8張くらいか。
最盛期の関東近郊のテント密度を基準にすれば、20張くらい張れそうな感じ。

地面は砂礫混じりの芝だが、石を使って打ち込めば簡単にペグも刺さる。
トイレもあるし(紙は無い)、水量も豊富なので良い野営場だ。

既に時刻は15:30だが、天気も悪くないので剣山に登ることに。



ここ剣山はリフトを使えば西島駅から約50分の歩きで山頂に辿り着ける。
登山道も整備が行き届いており、危険箇所は皆無だった。

登山者が殺到する深田百名山の中でも好天時の登りやすさでは5本の指に入るだろう。
山深いエリアではあるものの、今では大阪から日帰りも可能だと説明があった。

時間も時間なので休憩なしで歩き、30分で山頂に。本当にあっという間だった。
山頂は「平家の馬場」と呼ばれるだだっ広い草原で、植生保護のため木道しか歩けないようになっている。

この木道は人による踏み荒らしを防ぐものだが、それとは別に剣山国定公園は鹿による食害が深刻とのこと。
歩いていてもそこかしこで鹿対策が取られていた。

奥に見える山が次郎笈(じろうぎゅう)。
今居る剣山の別名が太郎笈で、それと対峙するものとして名付けられている。
この山までは剣山から往復しても2時間かからないが、その間の稜線は素晴らしいのでぜひ進んで欲しい。

翌日歩く予定なのでこの日はパスしたが、この時間(16:30)から向かう人も居た。

翌日の天気予報がソースによって晴だったり雨だったり微妙だったので、ひとしきり景色を楽しむ。
山頂直下に小屋があるので、夕日を見に来たりする人も多そうだ。

テントに戻る前に日が暮れては困るので、名残惜しいが下山することにする。

剣山本宮宝蔵石神社の磐座(いわくら)。
信仰に疎い自分には耳馴染みのない単語だが、つまりはこの岩が御神体ということらしい。
剣山は巨石信仰の霊山なのだ。

下りは大剣神社を通るルートを選択。こちらの磐座は後ろに見える大石。
またこの神社から少し下ったところで日本名水百選、剣山御神水を汲むことが出来る。

下山もあっという間で、山頂から30分もかからずテントに戻ることが出来た。

テントに戻ったら夕飯の準備。メニューは麦飯とホワイトソースを使ったリゾット。
※見た目がアレなので写真は割愛。
この旅では極力アルファ米を使用せず、少ない茹で時間で食べられる麦飯を多用した。

移動の疲れもあり、夕食を終えて1杯だけビールを飲んだらこの日は早々に就寝。

夜中はかなり風が強くなり、テントが風に煽られる音で何度も目が覚めた。
去年、蝶ヶ岳で夜から風が強くなり、次の日に天気が崩れたことがあったけ・・・。
再び眠りに入る薄れ行く意識の中で、翌日の天気のことを思っていた。

続く

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