* * *
朝、目覚めて有峰林道の状況をチェック。昨日と変わらず通行止めの表示のまま。
しかし天気は雲一つない快晴。見切り発車で6:26の立山行きの富山地鉄に乗るべく準備を始めた。
有峰口~折立までのタクシーを予約の電話をすると、林道については特に何も言われず。
これはいけるかもしれない。
台風一過の平日、有峰口に降り立ったのは自分を含めて2人だった。待っているタクシーは2台。
どちらかがズボラで予約していなかったら同乗して割り勘できたのに…。
結局、林道は通行止めだった。
開通まで1時間程度待ったが、運ちゃんが気長な人だったのが救いだった。
折立に到着したのは9:20。料金は通行料込みで\11,100だった。
着いてみると自家用車組が結構いて賑やかだが、ほとんどの人は薬師岳ピストンらしい。
* * *
山を始めてから、初めて行った北アルプスは立山だった。
どこまでも広がる山々。ひとつも名前がわからなかった。
そんな時、隣にいた集団の女の子が「薬師!」と叫んだ。
どの山を指して言っているのかわからなかったが、それ以来「薬師」という名前は印象に残っており、
いつか自分も「あれは薬師です」と誰かに教えてあげたいと秘かに思っていた。
4日目の話になるが、その思いは、この旅の中で叶えることが出来た。
あの立山から2年…自分も成長したのだと少し嬉しくなった。
なおこのくだりを台無しにするが、今思い返すとあの女の子が見ていた方向は、薬師岳の方向ではない。
でもそんなことはどうでもいいのだ!
* * *
準備を済ませ、折立を9:30にスタート。
太郎兵衛平までの道は整備された木道、と紹介されることが多いが、最初は樹林帯の登りである。
1時間半くらい歩くと、三角点(1,870 m)に出て剣岳方面が開ける。
ここからがよく見る整備された道だ。
木道か固められた土の道かで歩きやすいが、遮るものがないので9月中旬といえど暑い。
三角点からさらに1時間半くらい歩くと五光岩ベンチ(2,189 m)に着く。
ここは薬師岳の真ん前で、以降進行方向左手にずっと薬師岳を望むことができる。
五光ベンチから1時間弱で太郎平小屋(2,330 m)だ。
暑さでバテながら引き続き整備されたゆるやかな道を歩いた。
太郎平小屋が立つ場所には太郎兵衛平と標識があったが、五光岩ベンチの案内には太郎平と記載してあった。
どちらでもいいのだが、太郎兵衛平は変換が面倒だ。
小屋の前はとても広く、ここにテントを張りたいと思ってしまった。
展望がよく、これから進むであろう方向の峰々がよく見える。
この時は見えている山の名が薬師岳以外全くわかならかったのだが、
隣のグループのベテランがすべて解説してくれるので助かった。
(後で見たら案内板があった)
どうやら水晶・鷲羽・雲ノ平と、双六岳や黒部五郎岳が見えているらしい。
昼食は太郎平小屋名物の太郎ラーメン(\800)とおでん(\500)を食べた。
味は普通だったが、やっぱり山で食べるとうまい。スープは全て飲み干した。
テント場までは小屋から15分ほど。
受付番号は2番で、到着した時にはまだ1張りも無かった。
(前日は台風だったので、前日から張りっぱなしも無かったのだと思う)
今までそんなに早かったことはなかったので驚いたが、場所は選び放題だ。
本当に人が少ないんだな…
ここの水場は水がドバドバ出ていて、余計なところまで濡らしてしまうほどだった。
水場でオジサンと雑談を交わしたが、「明日は雲ノ平に」と言ったところ
「あそこは何も無くてつまんねぇよ」と言われて少しゲンナリしてしまった。
これから向かう人にそれは無いでしょ…
ここはdocomoの電波が入ったので、SNSに写真をアップなどしつつ20時前には就寝した。
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